特定非営利活動法人F-site:エフサイト

理事長メッセージ

2004。演劇を通じて“富山に新しい文化の種を蒔いていこう”という趣旨に賛同した有志が集結し、06年にNPO法人化し誕生したのが “エフサイト” です。07年から開始した高校生の文化活動支援を通して、文化を通じた青少年の健全育成に特に力を入れ、現在は地域、業界の垣根を越えた多数の理解者・協力者と共に、全国へとネットワークを広げています。

希薄化する地域の絆

若い世代にとって、日常触れあう世界の大半が家族・学校・塾などに占められています。他者とのコミュニケーションも両親や兄弟、同級生のレベルにとどまり、同じ地域に住む異世代の人々は、ほとんど話す機会もない「他人」となっています。かつての地域共同体のような相互扶助の絆、異なる世代間の交流が希薄となり、過剰な情報を受動的に消費するだけの生活に慣れ切った現代人の中には、本来、あらゆる人が有していたはずの他者への関心や好奇心、成長への意欲や目的を見失い、惰性のような日々を過ごしている人たちも少なくありません。

キーワードは、「互いに学びあう」

私たちは、高校生・大学生らとの様々な活動を通して、そこに、人への興味や関心を持たなければ表現できないようなテーマを設定することで、意識的に他者への好奇心を引き出すことができないかと考えました。自ら学び、自ら成長し続けようとする一人ひとりの意欲を、いかに引き出し、いかに広げていくかということが、今日の地域における課題のひとつと捉えています。学びつづける意欲の母胎は、日常生活の中で触れあう他者への関心や好奇心です。そうした関心や好奇心があるところには、おのずとコミュニケーションが成立し、人の絆がより強く結ばれることによって、多様な「学びあい」の機会も生まれてくると考えます。

生涯学習意欲の基礎にある「他者への関心・好奇心」を引き出すことによって、人と人とのコミュニケーションの再生を図り、そのコミュニケーションから新たに生まれた絆を通じて、「学びあい」の場を創出していくことを活動の使命と考えました。NPO活動によって芽生えた「他者への関心・好奇心」をスタート地点に、より深い他者理解・異文化理解へと変化させていくことが、今後のテーマと考えています。芸術分野を基軸に慣習や前例にとらわれることなく、創造性に溢れる活動を展開したいと考えております。

F-site変遷

2014年、北陸中日新聞富山版「NPO通信 わたしが発信」に連載させていただいた記事です。F-siteの歩みと想いをつづっています。